HOME > 外構の教科書 > 費用・見積もり・業者選び > 外構の自社施工は本当に安い?業者選びで確認すべき施工体制と価格の考え方
INDEX
  1. 「自社施工だから安い」だけでは外構業者を判断できない
  2. そもそも「自社施工」とは何を指しているのか
  3. 自社施工だから安いとは限らない理由
  4. 協力業者を使っている外構会社でも品質は安定させられる
  5. 外構で見るべきなのは「職人の所属」より現場管理
  6. 「安い自社施工」と「高い外注施工」のように単純化しない
  7. 見積もりの「諸経費」は、高い・安いだけで判断しない
  8. 見積もりの原価を細かく開示できる会社ほど良いとは限らない
  9. 相場より安い会社は「安い理由」を確認する
  10. 施工品質は完成写真だけでは判断しにくい
  11. 外構会社を比較するときのチェックリスト
  12. 自社施工に関するFAQ
  13. まとめ

「自社施工だから安い」だけでは外構業者を判断できない

外構会社を比較していると、「当社は自社施工なので中間マージンがかかりません」「下請けを使わないので安くできます」と説明されることがあります。

たしかに、発注経路が短ければ余分な管理コストを抑えられるケースはあります。ただし、自社施工だから必ず安い、自社職人だから必ず品質が高い、というわけではありません。

職人を社員として雇用する会社には、人件費、社会保険、車両、工具、教育などのコストがあります。協力業者へ施工を依頼する会社には外注費がかかります。どちらの形でも施工にはコストが必要で、その負担方法が違うだけです。

施主が見るべきなのは「職人が社員か外注か」よりも、誰が設計し、誰が現場を管理し、施工基準をどう共有し、不具合が起きたときに誰が責任を持つのかです。

先に結論

  • 「自社施工」には統一された意味があるわけではありません。社員職人だけで施工する場合もあれば、継続的に依頼している協力業者を含めて表現している場合もあります。
  • 自社施工だから必ず安いとは限りません。社員職人にも給与、社会保険、車両、工具、教育、待機時間などのコストがかかります。
  • 協力業者を使っているから品質が低いとも限りません。重要なのは、施工会社が職人をどのように選び、指示し、確認しているかです。
  • 業者選びでは、施工体制より「管理体制」を確認します。担当者、施工基準、工程確認、保証窓口まで聞いておくと判断しやすくなります。
  • 価格は雇用形態ではなく、商品・施工内容・会社経費・管理体制などを含めて比較します。
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そもそも「自社施工」とは何を指しているのか

外構会社のホームページでは「完全自社施工」「自社職人施工」「自社施工管理」といった表現が使われます。

ただし、これらがすべて同じ意味とは限りません。

会社によっては職人を直接雇用している場合もあれば、長年固定して依頼している一人親方や専門業者を「自社施工チーム」と表現していることもあります。また、土工、左官、電気、植栽など、工種によって外部の専門業者へ依頼するケースもあります。

施工体制 一般的な特徴 施主が確認したいこと
社員職人 特徴:施工会社が直接雇用する職人が工事を担当します。 確認事項:どの工種まで社員職人が担当し、専門工事は誰へ依頼するのか。
固定協力業者 特徴:長く取引している一人親方や専門業者へ継続的に施工を依頼します。 確認事項:施工基準や設計意図をどのように共有し、誰が現場確認を行うのか。
工種別手配 特徴:ブロック、左官、電気、植栽などを専門業者へ分けて発注します。 確認事項:複数業者の工程や取り合いを誰が管理するのか。

そのため、「自社施工ですか?」という質問だけでは十分ではありません。

「実際に現場へ来るのは誰か」「施工会社の担当者は現場をどのように管理するのか」まで確認した方が、施工体制の実態を把握しやすくなります。

自社施工だから安いとは限らない理由

「下請けへ払う費用がないから、その分安い」という説明は分かりやすいですが、実際のコスト構造はもう少し複雑です。

職人を直接雇用する場合、会社は施工している時間だけに給与を払うわけではありません。

  • 給与・賞与
  • 社会保険などの会社負担
  • 車両費
  • 工具・機械
  • 作業着・安全用品
  • 採用・教育
  • 事務所や資材置場
  • 現場が少ない時期の人件費

一方、協力業者へ依頼する会社では、これらを直接抱えない代わりに外注費を支払います。

どちらが安くなるかは、職人の稼働率、会社規模、施工エリア、管理方法、工事内容などによって変わります。

「中間マージンがない」と「会社の利益がない」は別です

専門業者へ直接依頼しても、施工会社には設計、営業、現場管理、事務、保証対応などの費用が必要です。

適正な利益が含まれていること自体を問題視するのではなく、その価格に対してどこまでの施工・管理・保証が含まれているかを確認しましょう。

協力業者を使っている外構会社でも品質は安定させられる

外構工事は、土工、ブロック、左官、アルミ製品、電気、給排水、植栽など複数の工種が関係します。

すべてを同じ職人が担当するとは限らず、工種ごとに専門の職人へ依頼する方法にも合理性があります。

たとえば、外構会社が長年同じ協力業者へ発注し、施工方法や納まりを共有しているのであれば、毎回異なる職人へ無作為に発注するのとは状況が違います。

重要なのは、外注の有無ではなく次の点です。

  • 施工会社が職人の技術や対応を把握しているか
  • 図面や施工内容を事前に共有しているか
  • 現場で判断が必要になったときの連絡経路が明確か
  • 重要工程を施工会社側で確認しているか
  • 不具合が起きたとき施工会社が窓口になるか

つまり、協力業者を使うこと自体より、発注した後を誰も管理していないことの方が問題です。

外構で見るべきなのは「職人の所属」より現場管理

完成後の外構では、商品や仕上げ材は見えても、下地や基礎の多くは見えなくなります。

そのため、施工会社を比較するときは、施工中にどのような確認を行っているかが重要です。

確認項目 聞いておきたいこと
現場担当 聞きたいこと:営業・設計担当とは別に、施工中は誰が現場を管理するのか。
施工指示 聞きたいこと:図面だけでなく、高さ・勾配・納まりなどをどのように職人へ伝えるのか。
重要工程 聞きたいこと:基礎、配筋、下地など完成後に見えなくなる部分を誰が確認するのか。
写真管理 聞きたいこと:施工中の写真を残しているか。必要に応じて確認できるか。
変更対応 聞きたいこと:現場で図面と異なる条件が見つかった場合、誰が判断し施主へ連絡するのか。
保証窓口 聞きたいこと:施工後の不具合について施工会社が責任を持って対応するのか。

現場管理の方法は会社によって異なるため、「毎日監督が常駐している会社でなければだめ」という意味ではありません。

工事内容に応じて必要なタイミングで確認が行われ、問題があったときに責任を持って判断できる体制になっているかを見ます。

「安い自社施工」と「高い外注施工」のように単純化しない

外構費用は、職人の雇用形態だけで決まりません。

商品仕入れ、施工効率、営業コスト、広告費、展示場、施工エリア、会社規模など、さまざまな要素が価格に影響します。

価格に影響する要素 確認するポイント
商品仕入れ 確認ポイント:得意メーカーや年間取扱量などによって仕入れ条件が変わる場合があります。
施工効率 確認ポイント:施工エリアを絞っている会社などは、移動や現場管理を効率化できる場合があります。
営業・広告 確認ポイント:展示場、広告、営業スタッフなどの費用も会社運営には必要です。
設計・提案 確認ポイント:図面作成、CG、打ち合わせ回数など、提案にかける業務量が異なります。
現場管理 確認ポイント:施工中の確認や工程調整をどこまで会社側で行うか。
保証・対応 確認ポイント:引き渡し後の窓口や施工保証の内容が価格に含まれているか。

少人数で運営する会社が固定費を抑えて価格競争力を持つこともあれば、規模の大きな会社が仕入れや施工体制を効率化して価格を抑えていることもあります。

会社の規模や自社施工という肩書きだけでは、実際の費用対効果までは分かりません。

見積もりの「諸経費」は、高い・安いだけで判断しない

見積書に「諸経費」「現場管理費」などが入っていると、「これは会社の利益だから削れるのでは」と感じることがあります。

しかし、見積書の表示方法は会社によって異なります。

現場管理や運搬費を諸経費としてまとめる会社もあれば、各工事項目へ含める会社もあります。そのため、諸経費の割合だけを比較しても会社全体の利益率は分かりません。

確認したいのは、次の2点です。

  • 諸経費に何が含まれているのか
  • 最終見積もり以外に追加される可能性のある費用は何か

相見積もりでは、諸経費だけを抜き出すのではなく、商品・施工費・処分費・諸経費を含めた総額と工事範囲をそろえて比較しましょう。

見積もりの原価を細かく開示できる会社ほど良いとは限らない

施工会社へ「この土間コンクリートの材料原価はいくらですか」「職人の日当はいくらですか」と聞きたくなることもあります。

ただし、材料の仕入れ価格や外注単価は企業間の取引条件でもあり、すべてを開示する会社ばかりではありません。原価を答えないから不誠実ということでもありません。

施主が確認したいのは原価そのものより、その価格でどの仕様・施工範囲になるのかです。

たとえば土間コンクリートなら、次のような質問の方が実用的です。

  • どの範囲を施工する見積もりですか
  • 駐車場としてどのような下地を想定していますか
  • 仕上がり高さと水勾配はどう計画していますか
  • 補強はどのような仕様ですか
  • 目地はどこに入りますか
  • 残土の搬出・処分まで含まれていますか

こうした質問に具体的に答えられる会社であれば、見積もりと施工内容を結び付けて判断しやすくなります。

相場より安い会社は「安い理由」を確認する

相場より安い見積もりだからといって、すぐに施工品質を疑う必要はありません。

価格を抑えられる理由には、次のようなものがあります。

  • 特定メーカーの仕入れに強い
  • 施工エリアを絞っている
  • 展示場や営業スタッフを多く持たない
  • 得意な工種に集中して施工効率を上げている
  • 広告費を抑えている

一方で、他社と比較して大幅に安い場合は、施工範囲そのものが違う可能性もあります。

土間の面積、フェンス延長、撤去処分、電気工事、残土処分、下地などが同条件になっているか確認してください。

安さではなく「理由を説明できるか」を見る

安い会社にも高い会社にも、それぞれ価格の理由があります。

「自社施工だからです」で終わるのではなく、他社と比べてどこを効率化しているのか、施工内容に違いがないのかまで説明してもらうと判断しやすくなります。

施工品質は完成写真だけでは判断しにくい

業者選びでは施工事例も参考になりますが、完成写真だけで施工品質を判断するのは難しい部分があります。

外構では、基礎、配筋、路盤、電気配管など、完成後には見えなくなる部分が多いためです。

施工事例を見る場合はデザインだけでなく、可能であれば次のような情報も確認しましょう。

  • 施工途中の写真を掲載しているか
  • 基礎や下地について説明しているか
  • 自宅と似た高低差・敷地条件の施工実績があるか
  • 工事中の変更にどう対応するか
  • 引き渡し後の保証内容が明確か

ホームページに職人の顔写真が掲載されていることは会社の雰囲気を知る材料にはなりますが、それだけで施工技術や雇用形態まで判断することはできません。

外構会社を比較するときのチェックリスト

確認項目 チェックする内容
自社施工の意味 チェック内容:社員職人なのか、固定の協力業者なのか、工種によって違うのか。
施工担当 チェック内容:実際に現場へ入る職人を施工会社が把握しているか。
現場管理 チェック内容:担当者がどのタイミングで施工内容を確認するのか。
見積もり チェック内容:商品、数量、施工範囲、撤去・処分などが確認できるか。
追加費用 チェック内容:着工後に追加となる可能性がある工事について説明があるか。
保証 チェック内容:施工した職人ではなく、契約した会社が窓口として対応するのか。
施工事例 チェック内容:完成写真だけでなく、自宅に近い敷地条件の事例があるか。

自社施工に関するFAQ

Q. 自社施工の外構業者を選んだ方が安くなりますか?

A. 必ず安くなるとは限りません。

社員職人には給与や社会保険、車両、工具などのコストがかかり、協力業者を使う場合は外注費がかかります。価格は雇用形態だけでなく、仕入れ、会社経費、施工効率、現場条件などを含めて決まります。

Q. 下請けや協力業者を使う外構会社は品質が低いですか?

A. 外注していることだけで品質の良し悪しは判断できません。

長年固定した職人へ依頼し、施工会社が図面・施工基準・工程を適切に管理しているケースもあります。誰が施工するかに加えて、誰が管理し、最終的に責任を持つのかを確認してください。

Q. 「完全自社施工」と書いてあれば社員職人だけで施工しますか?

A. 表現だけでは判断できません。

会社によって「自社施工」の意味が異なることがあります。実際に社員職人がどの工種を担当し、電気・植栽など専門工事を誰へ依頼するのか確認するとよいでしょう。

Q. 自社施工業者と協力業者を使う会社なら、どちらを選ぶべきですか?

A. 雇用形態より、設計・現場管理・保証まで含めて比較するのがおすすめです。

外構では複数の工種が関係するため、施工体制そのものより、設計意図を現場へ正確に伝え、問題が起きたときに判断できる体制が重要です。

Q. 見積もりの「諸経費」が高い会社は避けた方がよいですか?

A. 諸経費の割合だけでは判断できません。

現場管理費や運搬費を各工事項目へ含める会社もあれば、諸経費としてまとめる会社もあります。何が含まれているのかを確認し、総額と施工範囲で比較してください。

Q. 材料原価や職人の日当を教えてくれない会社は信用できませんか?

A. 原価を開示しないことだけで判断する必要はありません。

仕入れ価格や外注単価は会社の取引条件でもあります。それより、施工面積、商品、基礎、下地、処分費など、契約する工事内容が具体的に説明されているかを確認しましょう。

Q. 相場よりかなり安い自社施工業者を見つけた場合はどう確認すればよいですか?

A. まず、同じ仕様・数量・施工範囲で比較できているか確認してください。

条件が同じなら、なぜ安くできるのかを聞きます。仕入れや施工効率など合理的な理由が説明でき、管理・保証にも問題がなければ、安いこと自体はデメリットではありません。

Q. ホームページの施工事例や職人写真は業者選びの参考になりますか?

A. 参考にはなりますが、それだけで判断しない方がよいでしょう。

完成写真に加えて、自宅に近い敷地条件の施工事例、施工中の管理方法、保証内容、担当者の説明まで確認すると、実際の施工体制を判断しやすくなります。

GAIKO LAB編集部 / 外構専門メディア

まとめ

「自社施工だから安い」という説明は、外構会社を比較する一つの情報にはなりますが、それだけで業者を選ぶ理由にはなりません。

  1. 「自社施工」の意味を確認する:社員職人なのか、固定の協力業者なのか、工種ごとに施工体制を確認します。
  2. 雇用形態だけで価格を判断しない:社員施工にも外注施工にもそれぞれコストがあり、価格は会社全体の運営方法で変わります。
  3. 現場管理を見る:図面、施工基準、重要工程、変更対応を誰が管理するかを確認します。
  4. 見積もり条件をそろえる:商品、数量、下地、撤去・処分、付帯工事を合わせて比較します。
  5. 安さの理由を確認する:自社施工という言葉だけでなく、なぜその価格で施工できるのか具体的に説明してもらいます。

外構工事で重要なのは、「誰の社員が施工したか」ではなく、契約した会社が設計から施工、引き渡し後まで責任を持って管理できるかです。

自社施工という表示だけで判断せず、見積もりの内容と現場管理の仕組みを確認したうえで施工会社を選びましょう。

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