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外構照明の予算を削るなら「器具」から|将来増設できる配線インフラの残し方

外構照明の予算を削るなら「器具」から|将来増設できる配線インフラの残し方

新築外構の見積もりが予算を超えたとき、照明器具を減らして調整するのは一つの方法です。植栽のライトアップなど、入居後に必要性を確認してから追加してもよい照明はあります。

ただし、照明器具と一緒に将来の配線ルートまでなくしてしまうと、後から増設するときの自由度が大きく下がります。

特に注意したいのが、土間コンクリート、タイル、石張りなどで覆われる場所です。舗装が完成してからその下へ新しく配線を通そうとすると、迂回配線や露出配管、場合によっては仕上げの撤去・復旧が必要になります。

この記事では、外構照明の種類や演出方法ではなく、「今は照明器具を付けないが、将来追加できる外構にしておくには何を決めておくべきか」に絞って解説します。

この記事の結論

  • 予算を削るなら、後から交換・追加しやすい照明器具を先に見直す。
  • コンクリートやタイルで塞がれる配線ルートは、舗装前に確保する価値が高い。
  • 空配管は「入れておく」だけではなく、始点・終点・将来用途まで決めておく。
  • 将来の増設予定は図面や施工写真に残し、完成後でも配管位置を確認できるようにする。

照明予算では「後からできること」と「後からやりにくいこと」を分ける

外構の予算調整では、単純に金額の大きい項目から削るのではなく、完成後の変更しやすさで考えると判断しやすくなります。

項目 完成後の変更 予算調整時の考え方
照明器具 完成後の変更:配線と電源があれば、交換や追加が比較的しやすい。 予算調整時の考え方:使用頻度の低い演出照明などは後回しにしやすい。
地中配線ルート 完成後の変更:舗装後は新しいルートを通しにくくなる。 予算調整時の考え方:将来使う可能性が高い経路は先行施工を検討する。
電源位置 完成後の変更:建物や仕上げによって追加工事が必要になる。 予算調整時の考え方:将来の照明方式を想定し、必要な電源を確保できるか確認する。
構造物への配線 完成後の変更:門柱や階段、壁などの内部へ後から配線するのは難しい場合がある。 予算調整時の考え方:照明を付けなくても、将来使う可能性があるなら施工前に経路を決める。

つまり、予算を抑えるときに残したいのは「照明器具そのもの」ではなく、完成後に作り直すと手間が大きい部分です。

空配管を検討するのは「舗装で分断される場所」

将来の照明増設に備える方法の一つが、電線を通すための管を先に設けておく空配管です。

ただし、外構全体へ機械的に空配管を増やす必要はありません。完成後でも植栽帯や砂利部分を利用して配線できる場所であれば、先行施工の優先度は下がります。

一方、次のような場所は、舗装前に配線ルートを検討する価値があります。

  • 建物側から土間コンクリートを横断した先の植栽スペース
  • タイルや石張りで仕上げるアプローチの反対側
  • 門柱や門袖の内部
  • 階段や擁壁など、完成後に内部へ配線しにくい構造物
  • 庭までの経路が将来コンクリートや構造物で塞がれる場所

判断基準はシンプルです。「将来ここまで電線を持っていきたいとき、土や砂利を掘るだけで済むか」を考えてみてください。

簡単に掘れるなら急いで配管する必要性は高くありません。反対に、コンクリートを横断しなければ到達できない場所なら、新築時にルートを確保しておくメリットが大きくなります。

空配管は「とりあえず1本入れる」だけでは不十分

空配管を施工しても、将来実際に使える状態になっていなければ意味がありません。

打ち合わせでは、少なくとも「どこから、どこへ通すのか」を明確にしておきます。

始点を決める

まず確認するのは、将来の照明配線をどこから引き出すかです。

屋外コンセント付近、トランスを設置する予定の場所、電気設備をまとめる場所など、採用する照明方式によって適切な始点は変わります。

空配管の出口だけあっても、その近くに利用できる電源がなければ、別途電源工事が必要になることがあります。

終点を決める

終点も「庭のどこか」ではなく、将来どの範囲へ照明を設置したいのかを考えて決めます。

たとえばシンボルツリーそのものが未定でも、「この植栽帯まで配線を出しておけば、その先は土の中を延長できる」という位置まで到達させておけば、将来の自由度を確保できます。

反対に、配管の終点を照明器具の予定位置まで細かく固定しすぎると、植栽や外構の使い方が変わったときに使いにくくなることがあります。

何のための配管か記録する

完成後、空配管だけが残っていても、「何用なのか」「どこにつながっているのか」が分からなくなることがあります。

外構図面には、たとえば「将来照明用」「庭照明予備」など用途を記載し、始点と終点が分かるようにしておきましょう。

埋め戻す前の施工写真も残しておくと、将来の増設工事で位置を確認しやすくなります。

空配管を依頼するときの伝え方

「PF管を適当に入れておいてください」ではなく、「将来、このエリアへ照明を追加できるように配線経路を残したい」と目的から伝えるのがおすすめです。

使用する管の種類、施工方法、太さ、曲がり方、保護方法などは、想定する配線や施工場所によって変わります。特に車両荷重がかかる場所では、使用する配管材や埋設方法を施工業者に確認してください。

将来の照明器具が決まっていなくても、配線ルートは計画できる

「使う照明がまだ決まっていないから、配管も決められない」と考える必要はありません。

新築時点で決めるべきなのは、最終的な器具の商品番号ではなく、将来どのエリアで電源を使う可能性があるかです。

たとえば庭のライトアップなら、シンボルツリーの種類やスポットライトの機種まで決定していなくても、「建物側から庭の植栽帯まで配線できる状態」をつくることはできます。

むしろ将来計画では、器具の位置を細かく固定するより、舗装を越えた先まで配線経路を確保し、その先を変更できるようにしておく方が使いやすい場合があります。

12Vローボルト照明を想定する場合も「電源側」から考える

将来増設を前提とする場合は、DC12Vなどのローボルト照明も選択肢になります。

タカショーやLIXILなどでは、家庭の100V電源を専用トランスでDC12Vへ変換する屋外照明システムが用意されています。メーカー指定のローボルト側については、電気工事士資格を必要とせず施工できる製品もあります。

ただし、重要なのは器具よりもトランスまでの100V電源です。

屋外コンセントの新設や100V配線の変更など、工事内容によっては電気工事士による施工が必要です。将来ローボルト照明を使う可能性があるなら、外構完成後に「トランスをどこへ置くのか」「そこまで電源を確保できるのか」まで考えておきます。

また、接続できる照明の容量や配線方法はシステムごとに異なります。将来の拡張を想定する場合も、採用するメーカーの仕様に沿って計画してください。

「全部に予備配管」は必要ない

将来性を重視するあまり、使う可能性の低い場所まで配管を増やすと、結局使わない設備に予算を使うことになります。

先行施工の優先度は、次の3点で判断すると整理しやすくなります。

判断軸 優先度が高い状態 優先度が低い状態
将来の必要性 優先度が高い状態:植栽照明や庭照明など、追加する可能性が具体的にある。 優先度が低い状態:今後も照明や電源を使う予定がほとんどない。
後施工の難しさ 優先度が高い状態:コンクリート、タイル、門柱などで配線経路が塞がれる。 優先度が低い状態:土や砂利部分から後でも容易に配線できる。
ルートの汎用性 優先度が高い状態:庭や敷地奥など、複数用途への入口として利用できる。 優先度が低い状態:特定の器具だけにしか使えない位置で終わっている。

特に費用対効果が高いのは、「将来使う可能性があり、完成後は通せなくなる区間」だけを先に施工する方法です。

照明だけでなく、将来設備の「横断ルート」として考える方法もある

舗装下に先行して設ける配線ルートは、将来の外構変更を考えるうえでも重要です。

たとえば建物から庭へ向かう途中を広い土間コンクリートで完全に塞ぐ計画では、完成後に電気設備を追加するときも同じ問題が起こります。

そのため、今後の使い方がまだ決まっていない住宅では、「シンボルツリー用の照明管」という一点だけで考えるのではなく、将来設備を通すためのルートをどこに残すかという視点で外構図面を見る方法もあります。

ただし、照明用の配管を将来そのまま別用途へ流用できるとは限りません。必要な配管仕様や電気設備は用途によって異なるため、あくまで将来計画を検討するきっかけとして考え、具体的な施工方法は設計・施工業者へ確認してください。

見積もりより「図面に残っているか」を確認する

将来増設のための配管は、完成時には見えなくなります。そのため、金額だけでなく記録を残すことが重要です。

施工前に、次の項目を確認しておきましょう。

  • 空配管の始点と終点が図面に記載されているか
  • 何のための予備配管なのか分かるか
  • 将来利用する電源の位置を想定しているか
  • 完成後も配管の端部へアクセスできるか
  • 必要に応じて電線を引き込める施工になっているか
  • 車両荷重など施工場所の条件に合った配管方法になっているか
  • 埋設前の位置が分かる写真や施工記録を残せるか

照明器具を付けない工事は完成時に目立ちません。しかし、将来の変更コストを左右するのは、こうした見えなくなる部分です。

外構照明の先行配管に関するFAQ

Q. 将来どんな照明を付けるか決まっていなくても、空配管はできますか?

A. 可能です。

器具の商品まで決める必要はありません。まずは「建物側から庭まで」「土間の反対側の植栽帯まで」など、将来電源を届けたいエリアを決めます。ただし、具体的な配管仕様は将来想定する電源方式や施工条件によって変わるため、施工業者と相談して決めてください。

Q. 空配管を入れておけば、将来必ず照明を追加できますか?

A. 空配管があるだけで、すべての照明を自由に追加できるとは限りません。

使用する器具の電源方式、トランスや電源の容量、配線距離、配管の仕様などによって条件が変わります。空配管は将来の選択肢を残すための設備と考え、増設時には採用する照明システムに合わせて確認します。

Q. 空配管の終点は、照明を付ける場所まで伸ばした方がよいですか?

A. 必ずしも器具位置まで固定する必要はありません。

土間やタイルなど、将来横断しにくくなる部分を越えた先まで配管し、そこから土の部分を使って延長できるようにする方法もあります。将来の配置変更を考えると、使いやすい位置で終端させた方がよい場合があります。

Q. 空配管の位置はどのように残しておけばよいですか?

A. 外構図面への記載と、埋設前の施工写真を残しておく方法が有効です。

始点・終点・用途が分かる状態にしておくと、数年後に別の施工業者へ増設を依頼する場合でも確認しやすくなります。写真は周囲の建物や構造物が一緒に写るようにしておくと位置関係を把握しやすくなります。

GAIKO LAB編集部 / 外構専門メディア

まとめ

外構照明の予算を削るときは、照明器具と配線インフラを分けて考えることが重要です。

  1. 今すぐ必要のない照明器具は、入居後の増設へ回すことができる。
  2. 土間コンクリートやタイルで塞がれる配線ルートは、舗装前に確保するか検討する。
  3. 空配管は始点・終点・用途を決め、将来使える状態で施工する。
  4. 電源位置や照明方式も考え、空配管だけで計画を完結させない。
  5. 完成後に場所が分からなくならないよう、図面と施工写真を残す。

予算が限られているからといって、将来使うか分からない照明器具をすべて先に購入する必要はありません。一方で、完成後に作り直しにくい部分だけは先に整えておく。この切り分けができると、初期費用を抑えながら将来の選択肢を残しやすくなります。

外構予算は「今やる工事」と「後からできる工事」を分けて考える
外構費用を抑えるときは、単純に設備を削るだけでなく、完成後でも追加しやすい工事と、新築時に施工しておいた方がよい工事を分けて考えることが大切です。

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